2010年7月 3日
進行ガンのチャート
これからの進行ガンに対する治療課題としてはI) ガンが大きくなっている場合。:原則として放置しないことです。
1)体重は変わらずまた痛みなどが無い場合。ぜひ三大標準治療の組み合わせで対応。2)体重減少があれば、栄養補給と三大療法の組み合わせを。栄養補給してもやせる場合。ガンによる炎症性サ イトカインに対する治療および三大療法の組み合わせを。
3)痛みや苦しみはとにかく我慢しないで対処してもらうと同時に三大療法の組み合わせを。
4)三大療法をし尽くしたといわれて、もし納得がいかなければ、セカンドオピニオンへ。
5)三大療法がこれ以上ない場合は、体重の管理、痛み、苦しみなどの管理を。
II) ガンの大きさが、横ばいか小さくなっている場合。:これは悪くないことです。
1)体重は変わらず、痛みなども無いなら今のままの治療計画で経過を見る。2)体重減少があれば栄養補給を。栄養補給してもどんどんやせるなら、ガンの炎症性サイトカインによるものと 考えその対策を講じる。
3)痛み、苦しみがあればとにかく我慢しないで対処してもらうと同時に現行の治療手段に準じる。
III) ガンが見当たらない場合。
1)元気で痛みなど無い。且つ体重が減らない。さらに腫瘍マーカー、CRP,血清アルブミン、リンパ球数、血清ヘモ グロビンなど検査データが良好に推移している場合。理想的です。2)痛み、疼痛があれば、原因究明して対処してもらう。
3)やせてくるなら、栄養補給してもらう。栄養補給してもどんどん痩せてくるようなら、かつ上記データのいずれか の改善がなければ。播種性病変を疑い、ガンによる炎症性サイトカインに対する治療や、副作用を管理しなが らの抗ガン剤治療を。
進行ガンの治療において検査上クリアしたい4項目
*1)白血球の中のリンパ球数(免疫力を評価):800~1000個/μl以上。*2)血中ヘモグロビン(疲れや疲労に関係):8~10g/dl以上。
*3)血清アルブミン(栄養状態をみる):3.5g/dl以上。
*4)血清CRP(炎症性サイトカインを評価):0.5mg/dl以下が望ましい。
註1)
ガンによる痛みは、麻薬なども必要でしょうが、ぜひ放射線治療を。註2)
ガンによる炎症性サイトカインに対する治療には、ガンの大きさを三大療法いずれかでコントロールすることが基本です。しかしやや専門的な意見になりますが、IL-6などの炎症性サイトカイン自体をコントロールする健康食品や保険適応で無く且つ限られた施設でしか行なわれていませんが抗体医薬を用いることもありえます。註3)
*腫瘍マーカー値は患者さんひとりひとりによって評価が異なりますので、値そのものより、時間的な変化で評価します。註4)
*免疫治療については、自己責任において再発予防を期待して受けることは否定しません。しかし、上記の数値の推移が良好に経過していることが望まれます。2010年7月 2日
当院で実践する漢方療法
一部の漢方薬 http://www.chiyodakampo.com/※漢方については保険範囲内のみで対応してます。
特にガンにたいして。漢方薬は代替医療のひとつに扱われていますが、明らかに健康食品と異なり、治療医薬品なのです。中国では大学病院のレベルで、漢方の抗ガン剤との併用による大々的臨床データが取られ、その有効性を証明する報告が数多くあります。その臨床例数が日本とは比べ物にならないくらい多いにもかかわらず、残念ながら言葉の問題や昨今の報道事情などで日本ではあまり知らされていません。きちんとした中国の大学レベルとの密接な情報交換が信頼性、信憑性さらには安全性を得るには不可欠です。
2010年7月 1日
求められる、国が主導する混合診療のできる「ガン治療専門病院」
今日本でガン治療に関して私がもっとも強く求めたいのは、国が主導する「ガン治療専門病院」です。「国立ガンセンター」があるではないかと言う人がいらっしゃるでしょうが、ここはガン治療の専門病院というよりは、基本的にガン治療の研究施設でありその役割のひとつとしてガン治療が行われています。大学病院が「研究・教育・臨床」を3本の柱としているのと同じです。
私の理想とするガン治療専門病院では
1)臨床志向の医師のみの集まりとする。
つまり臨床医が研究や学会発表に労力を費やして、残りの時間で患者さんを診るということの無いようにする。なぜなら患者さんは臨床医を求めており、研究者を求めてはいません。
2)放射線治療をもっと活用する。ひとくちに放射線治療といってもその種類は豊富です。欧米と比較するとガン治療における放射線治療の役割が十分ではありません。
3)混合診療を認める。 今の日本の医療制度では、保険適用の薬と保険適用外の薬を併用する「混合診療」は禁じられ、もしひとつでも保険診療適用外の薬を使用すると、保険適用の薬も保険適用外になるので、治療費が10倍近くになることがままあります。
4)ガン治療と緩和ケアーと栄養管理を同時に平行して行なう。これらの三つの条件がそろってはじめてより良い延命治療が達成できます。しかし今の日本では緩和ケアーのタイミングが遅く、緩和ケアーそのものがガン治療の後始末のような終末医療となっています。
5)免疫療法については、保険外治療であることと免疫療法単独での腫瘍縮小効果が期待出来ないために多くの主治医にはあまり期待されていないようです。そのため患者さんがこっそり受けている構図があります。免疫治療では腫瘍縮小が望めなくても、四つの項目(くわしくは進行がんのところに記載)が改善すれば、延命効果効果があると考えていいと思います。
註1)私の理想とするガン治療専門病院を作るにはそこで働く医師の経済面を手厚くすることが必要です。それには政治主導で無いと実現は不可能です。
註2)患者さん側もがん保険などに自己責任において加入しておき、より手厚い治療や場合によっては医療保険が効かない先進医療に備えることです。
註3)研究医の存在はいうまでも無く重要で、医学の進歩には欠かせません。ここで提案した病院では彼らの知恵を情報として学び、ひたすら臨床に生かすことに専念する治療機関を目指すことです。
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