早期ガンについて

ガン検診について

しかしそれらの多くの検査が各臓器のガンの早期発見に一番適した検査であるかというと残念ながら現実はそうとはいえません。やはり今の医療情勢からは、国に早期ガン発見をまかせっきりにしない方が賢明です。自分が気になる臓器に対しての早期発見に最も適したガン検診を自己責任において受けることお薦めします。さらに、万が一に備えて民間のガン保険に加入しておくといいでしょう。なぜならもし早期ガンが発見された場合、今の医療保険ではカバーできないよりよい治療方法が存在するケースが考えられるからです。特に放射線治療はもっと自由に行なえるといいと考えています。
早期発見にはMRI検査がお勧め
ほとんどの臓器のガンの早期発見にはMRI検査がお薦めです。例外としては1) 肺ガン検査としては胸部CTです。MRIは含気量の多い肺の検査は適していないからです。
2) 胃及び大腸検査は蠕動運動があるためにMRIは苦手です。それぞれ内視鏡検査がお奨めです。
3) 胃の内視鏡検査は比較的多くの病院で施行されておりあまりドクター間の技術差はないように考えます。
4) 大腸内視鏡検査は胃内視鏡検査のようにどこでもできるわけではありません。ドクター間の技術差は大きいようです。それでも最近は大腸内視鏡検査を専門とする若手医師が多く育ってきています。さらには三次元colonography検査を施行するところが出てきています。若干の放射線被爆はありますが、検査に伴う苦痛はほとんど無いでしょう。カプセル内視鏡検査はなんとなく個人的には感度の問題などがあり薦めません。
※特にお薦めしたい検査はビキニMRI検査(乳房と婦人科領域の検査をこう命名しました)です。
早期発見に適した検査
現状 | 推奨 | |
肺胸部 | 胸部単純2方向撮影 | 胸部CT |
上腹部 | 腹部エコー | MRI |
下腹部 | 腹部エコー | MRI |
乳房 | 乳房エコー、マンモグラフィー | MRI |
子宮卵巣 | 細胞診、腹部超音波 | 細胞診、MRI |
胃 | 胃透視、バリウム検査 | 胃カメラ検査 |
大腸 | 便潛血 | 大腸ファイバー、大腸CT colonography |
私が考える現行のガン検診の弱点
参考までに私考える現行のガン検診の弱点を列記します。
1) 胸部単純レントゲン検査では1cm以下の腫瘍は写らないか見落とされてしまう可能性があります。
2) 胃バリウム検査は感度がいいとは言えず早期のガンは写らない可能性があります。実際にバリウム検査で異常を指摘されると胃カメラ検査にまわされます。その胃カメラ検査の結果で最終判断されていることでも明らかなように医師は胃カメラ検査を信用しています。
3) 上腹部エコー(胆のう、膵臓、肝臓、腎臓、脾臓など)はかなり有用な検査です。しかし膵臓に関しては明瞭に全体像を観察しづらいことがしばしばあり、特に太っている方は困難です。膵臓ガンの気になる方はこの検査のみでは早期発見は無理だと考えてください。
4) 大腸:便鮮血検査で多くは代用されています。これはかなり有用な検査ですが、直接内視鏡で見ることと比較すると当然信頼度はおちます。
5) 乳房;マンモグラフィーと乳房エコー検査は有用ですが、施設間での格差は大きいようです。またマングラフィー検査は痛みを伴うことが多く、胸壁側が死角になりやすい欠点があります。乳房エコーでは小さな播種性の病変は検出できません。
6) 婦人科領域:子宮頸部、及び子宮体部の両方の細胞診さらには経膣式超音波検査が必要です。自覚症状の無い方はこれらの検査に抵抗を感じる方も多いようです。
7) 前立腺および膀胱;PSAという前立腺の腫瘍マーカーと血尿の有無でスクリーニングされています。あまり下腹部のエコーは施行されていないようです。
上記の3)から7)までの検査はMRI検査が最適と考えます。
※特にお薦めしたい検査はビキニMRI検査(乳房と婦人科領域の検査をこう命名しました)です。
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