2010年7月27日
ワクチンについて
1)Hib(ヒブ)ワクチン
インフルエンザウイルスとは異なります。インフルエンザ菌のb型に対するワクチンで乳幼児の髄膜炎の予防に使われます。
2)小児肺炎球菌ワクチン(プレべナーPCV)
小児肺炎球菌ワクチンは世界の約100カ国で承認され、すでに41カ国で定期接種に導入されているワクチンです。
ヒブワクチンと同時接種をすることで、細菌性髄膜炎予防に非常に有効です。極めて安全性が高く、効果が高いワクチンですので、一日も早い承認、定期接種化が望まれます。高齢者用のものとは異なります。
3)子宮頸がんワクチン(サーバリックス)
子宮頸がん発症の主要な原因である、発ガン性ヒトパピローマウィルス(HPV)の16型と18型の感染を予防するワクチンです。
4)高齢者用肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)
高齢者や基礎疾患のある患者さんは肺炎球菌が起因となる肺炎にかかると重症化しやすくなります。
一度の摂取で5年間は有効です。
5)帯状疱疹用ワクチン
水痘ワクチンで代用します。
近い将来水痘ワクチンよりも力価の高い帯状疱疹ワクチンが日本に導入されることを願っています。
ワクチン接種計画
今後ヒブワクチン及び小児肺炎球菌ワクチンの摂取が盛んになってくると思います。
各種ワクチン接種の最適な時期について記載いたします。
(こちらはあくまで目安となりますので詳しくは主治医とご相談ください)
1)2ヶ月3週目
BCG
2)3ヶ月3週目
DTP三混1回目
+ヒブワクチン1回目
+肺炎球菌ワクチン1回目を同時接種
3ヶ月健診も同時に(ちょうど首が座る時期です)
3)4ヶ月3週目
DTP三混2回目
+ヒブワクチン2回目
+肺炎球菌ワクチン2回目を同時接種
4)5ヶ月3週目
DTP三混3回目
+ヒブワクチン3回目
+肺炎球菌ワクチン3回目を同時接種
5)集団接種でポリオ1回目
6)集団接種でポリオ2回目(1回目との間隔は6週間以上)
7)1歳誕生日
麻しん風しん混合ワクチン(1期MRワクチン)
+肺炎球菌ワクチン4回目を同時接種
8)1歳1ヶ月
おたふくかぜワクチン
9)1歳2ヶ月
水ぼうそうワクチン
10)1歳6ヶ月
DTP三混4回目+ヒブワクチン4回目を同時接種
<解説>
BCGは生後3ヶ月直前から接種し遅くとも生後6ヶ月までに接種します。
前後して三種混合ワクチンをなるべく早く接種できるように予定をたてましょう。
ポリオはBCG・三種混合ワクチン(初回免疫は3回接種)が終了してから集団接種で2回接種しましょう。
そして、1歳の誕生日に麻しん風しん混合ワクチンを接種しましょう。
おたふくかぜワクチン、水ぼうそうワクチンは任意接種ですが、1期MRワクチンが済んだら接種しましょう。
もし、ポリオと他のワクチンのスケジュールが重なりそうな場合は、ポリオを後回しにして、BCG・三種混合ワクチン・麻しん風しん混合ワクチンを優先して接種しましょう。
2010年7月22日
プラセンタ
胎盤エキス(プラセンタ)を接種することによって、体内の細胞を活性化させ、疲労回復、肩こり、更年期障害、及び皮膚のシミ、くすみ、たるみ及びダイエットにも有用と思います。ただし効果については個人差があります。
投与量、回数については個々の患者さんの目的とその効果に応じて相談しながら決めていきます。プラセンタの経口剤、外用薬についてもアドバイスいたします。
プラセンタ(胎盤注射)
ラエンネックまたはメルスモンの二剤があります。
サイトジェン
アンチエイジングおよび不老の研究のためにサンクトペテルブルグ生態機能調整・長寿学研究所が1992年に設立されています。
ロシアというお国柄のためか日本ではあまり知られてはいませんが、スタッフの中にはノーベル賞受賞者もいる英知集団の研究所です。サイトジェンはその研究所で作られたサプリメントであり、ロシアでは医薬品とされ、共通の理論から作られた注射薬もあり、実際の治療に使われているようです。
サイトジェンとは:
サプリメント型生理活性健康補助食品、調節機能型ペプチドといわれています。
クロマチン(遺伝情報の保持体として細胞核内に存在するDNAを含む核タンパク質複合体)の構造的・機能的組織化の研究過程において、さまざまなタイプの細胞内での遺伝子プログラムの実行を調整する特殊なタイプのタンパク質が発見されています。
ロシアの老年医学では老化の原因を種々の臓器や組織におけるタンパク合成の低下によるものと考えています。
若い動物の臓器から取り出したペプチドを古い動物に与えたときにそのペプチドの遺伝情報を受けた臓器や組織において老化によって失いつつあったタンパク合成が行なわれ、その組織や臓器の本来の機能が回復するという膨大な基礎実験を繰り返した結果をふまえてサイトジェンは作られています。
サイトジェンは三個のアミノ酸からなる合成ペプチドです。
これらの合成ペプチドの配列の情報を染色体(クロマチン)内のDNAに伝達することにより、目的の蛋白合成(老化により失われつつあるたんぱく質)を促すようです。
動物においてのみならず、実際の人においても治療に使われています。実際の医療の現場では西洋薬が中心として使われていることは言うまでもありません。
西洋薬としての医薬品の多くは、ガン治療は言うに及ばず、高血圧、糖尿病、脂質異常など動脈硬化性疾患の治療の中心であり、豊富な治療効果をしめすエビデンスがそろっています。
しかしこれらのほとんどは対症療法なのです。それらの原因からの根本治療ではありません。
たとえば、痛みひとつをとってみても、急性の痛みと慢性の痛みの区別もつけないで痛み止めを漫然と出す治療が横行しています。
少なくとも慢性の痛みの治療は痛み止めだけの治療では、胃や腎臓さらには骨にも副作用が出現しやすくなります。
その原因を探り、根本治療を行なうことが重要であることは誰も否定しないはずです。
その点、これらの合成ペプチドは特殊な配列により細胞内で失いかけている生理活性をよびおこす調節機能を有しており、理に適った食品と考えられます。
西洋薬の長所と欠点を踏まえた治療がこれから将来にかけて大事です。
サイトジェンのなかには、
1)カルタラクス。軟骨組織、支柱運動系統の機能調整。慢性の種々の関節痛に期待します。
2)ベズジェン。血管系の機能調整。
3)オバゲン。肝臓、胃腸器官機能調整。
4)ピネアロン。脳細胞活性機能調整。
5)ホンルテン。肺、気管支粘膜機能調整。タバコ病など硬くなった肺疾患の治療に期待します。
6)クリスタジェン。免疫機能調整。
※まだこれらの製品は日本では未発売です。
スタッフ紹介
私どもは患者さま視点での医療サービスを心がけております。
病気は身体だけでなく心も蝕んでしまいます。
些細な不安でもけっこうですのでお気軽にご相談にお越しください。
ダイエット療法
食欲抑制剤、漢方薬、ヒトプラセンタ錠、健康食品を適宜個人にあわせて段階的に治療します。
最近話題の低インシュリンダイエットの概念もとり入れます。つまり高インシュリン分泌状態、食後高血糖を廻避する工夫がダイエットの基本です。
食事の種類及び、更には冷静なカロリーの出納計算も重要となります。ダイエットの成功は、理論的に計算され自己努力の上に、成り立つものであり、努力なしの療法はありません。
もちろんカロリー面だけでなく、コアリズムやブートキャンプまではいかなくともダイエットには運動は欠かせません。楽してやせることは甘いと考えてください。
ホルモン補充療法(HRT)
なたが更年期障害といわれたり、思ったりした時に単に更年期と、とらえないで、まず、ホルモン量を測定することをおすすめします。
従来のホルモン療法では、子宮癌の発生率が高まると危惧されていました、このHRTでは少量の黄体ホルモンと少量の卵胞ホルモンの併用により、2~3年以内の投与であればその危険性は、むしろ、減っているとのデータがあります。
又、本療法はゆくゆくの骨粗しょう症の治療にもつながります。
又、ホルモンバランスがくずれてない方で、種々の不定愁訴をおもちの方には、漢方剤、プラセンタ療法、一般の経口剤etcの組み合わせで治療に臨みます。
2010年7月 9日
お役立ち情報
意見箱
徹底した指導(改善)体制を敷いております。
当医院は外部機関と連携し徹底した医院の改善指導の体制を敷いております。
患者さまが感じられた些細なことでも全て医院の改善に活かしたく思っております。
お気づきの事や要望など些細なことでもけっこうですので是非、生のご意見をお待ちしています。
外部機関を利用している理由は内部だけの体制では『甘え』につながってしまい、徹底した指導が行き届かないリスクを考えたためです。
意見箱フォーム
診療方針
入院患者さんを治療する病院と当院のような外来患者さんのみを診察する医院とはその役割は明らかに異なります。
当院では外科的な処置は行ないませんが、内科領域、小児科領域、皮膚科領域、婦人科領域、さらには漢方治療、健康食品などほとんどの領域の相談に対応いたします。
色々な分野の医療情報や勉強会があちこちで頻会に行なわれている東京で開業している利点を利用すれば、常に各領域の専門家による新しい情報を得るのは難しいことではありません。
入院患者さんを診ない開業医は特に専門性を掲げることなく、総合医療をするべきであると私は考えています。喘息、アレルギー疾患、膠原病、循環器、呼吸器、消化器、肝臓病心療内科、糖尿病などは言うに及ばず、中医学の専門医と情報交換している立場もあり漢方治療もアドバイスいたします。ただし自信の持てないケースの場合は常日頃から交流させていただいている多くの各領域の専門家へ迅速に紹介いたします。
特に気をつけていることは、患者さんの健康寿命をできる限り伸ばすための診察です。
具体的には
1)脳梗塞や心筋梗塞をできる限り予防するアドバイス
2)ガンを早期で見つけるための検査のアドバイス
3)進行ガンの方の苦痛をとり除きながらの延命に繋がる治療についてのアドバイス
4)骨粗しょう症や老化に伴う筋力低下に対するアドバイス
5)脳の生理的老化をできる限り抑えるためのアドバイス
を心がけるようにしています。
リンク
宇部内科小児科医院の協力パートナー様を記載します。
株式会社 ユニバーサル・トランセンド・プランニング/株式会社 UTP(略称)
Q&A
活性化自己リンパ球療法に関する質問を掲載します。質問の文章を直接クリックすると答えのページが表示されます。なお、ご不明な点などございましたら遠慮なくお問い合わせ下さい。
医療費について
保険内治療を基本としています。
ただし、例外として保険外治療を行う場合もございますのでこちらに記載しておきます。
保険外費参考
1)プラセンタ注射:1千円/1本(消費税別)
2)総合ビタミン注射:2千円/1本(消費税別)
3)ニンニク注射:5千円/1本(消費税別)
※プラセンタ+総合ビタミン+強力ミノファーゲン(ニンニクそのものの注射は存在しません)
4)進行ガンのセカンドオピニオンのご相談:1万円/30分
2010年7月 6日
進行ガンについて

進行ガンの治療で大事な考え方
白血病や悪性リンパ腫といった血液のガンは抗ガン剤の治療効果は大です。しかし多くの固形ガンはいったん進行すると完治は難しいのが現状です。進行ガンの治療で大事なことはガンと付き合うという考え方です。これまでの進行ガンに対する治療課題
進行ガンの治療において腫瘍縮小効果が期待できる手術、抗ガン剤治療、放射線治療の三大標準治療が中心であることに異を唱える人はあまりいないでしょう。しかし三大療法だけではうまく行かないことはままあります。辛い抗ガン剤治療をがんばって受けてやっとガンが小さくなってきた矢先に亡くなってしまったという症例は意外に少なくありません。
今まで多くの大病院が陥っていた腫瘍縮小第一主義の抗ガン剤治療の成績からは
1)がんの縮小効果(奏効率で表現されます)
2)患者さんの延命効果
は必ずしも比例しないという報告が多数見られます。
その要因としては
1)患者さんの栄養や体力、免疫力、さらには痛みや苦痛に対する治療が余り重要視されなかったこと
2)治療後の腫瘍の大きさがあまり変化しないケースに従来の奏効率重視の考えによる更なる行き過ぎた治療がおこなわれてきたこと
などが考えられます。
進行ガンについて

進行ガンの治療で大事な考え方
白血病や悪性リンパ腫といった血液のガンは抗ガン剤の治療効果は大です。しかし多くの固形ガンはいったん進行すると完治は難しいのが現状です。進行ガンの治療で大事なことはガンと付き合うという考え方です。これまでの進行ガンに対する治療課題
進行ガンの治療において腫瘍縮小効果が期待できる手術、抗ガン剤治療、放射線治療の三大標準治療が中心であることに異を唱える人はあまりいないでしょう。しかし三大療法だけではうまく行かないことはままあります。辛い抗ガン剤治療をがんばって受けてやっとガンが小さくなってきた矢先に亡くなってしまったという症例は意外に少なくありません。
今まで多くの大病院が陥っていた腫瘍縮小第一主義の抗ガン剤治療の成績からは
1)がんの縮小効果(奏効率で表現されます)
2)患者さんの延命効果
は必ずしも比例しないという報告が多数見られます。
その要因としては
1)患者さんの栄養や体力、免疫力、さらには痛みや苦痛に対する治療が余り重要視されなかったこと
2)治療後の腫瘍の大きさがあまり変化しないケースに従来の奏効率重視の考えによる更なる行き過ぎた治療がおこなわれてきたこと
などが考えられます。
早期ガンについて

ガン検診について

しかしそれらの多くの検査が各臓器のガンの早期発見に一番適した検査であるかというと残念ながら現実はそうとはいえません。やはり今の医療情勢からは、国に早期ガン発見をまかせっきりにしない方が賢明です。自分が気になる臓器に対しての早期発見に最も適したガン検診を自己責任において受けることお薦めします。さらに、万が一に備えて民間のガン保険に加入しておくといいでしょう。なぜならもし早期ガンが発見された場合、今の医療保険ではカバーできないよりよい治療方法が存在するケースが考えられるからです。特に放射線治療はもっと自由に行なえるといいと考えています。
早期発見にはMRI検査がお勧め
ほとんどの臓器のガンの早期発見にはMRI検査がお薦めです。例外としては1) 肺ガン検査としては胸部CTです。MRIは含気量の多い肺の検査は適していないからです。
2) 胃及び大腸検査は蠕動運動があるためにMRIは苦手です。それぞれ内視鏡検査がお奨めです。
3) 胃の内視鏡検査は比較的多くの病院で施行されておりあまりドクター間の技術差はないように考えます。
4) 大腸内視鏡検査は胃内視鏡検査のようにどこでもできるわけではありません。ドクター間の技術差は大きいようです。それでも最近は大腸内視鏡検査を専門とする若手医師が多く育ってきています。さらには三次元colonography検査を施行するところが出てきています。若干の放射線被爆はありますが、検査に伴う苦痛はほとんど無いでしょう。カプセル内視鏡検査はなんとなく個人的には感度の問題などがあり薦めません。
※特にお薦めしたい検査はビキニMRI検査(乳房と婦人科領域の検査をこう命名しました)です。
2010年7月 5日
これからの進行ガンに対する治療課題
これからの進行ガンに対する治療課題としてはa)抗がん剤の匙加減療法、
b)新しい放射線療法
c) 患者さんに分りやすい客観的な評価を行ないながらの免疫療法
d)患者さんの体力、栄養管理及び精神的苦痛のケアー
が重要だと考えます。
早期発見に適した検査
現状 | 推奨 | |
肺胸部 | 胸部単純2方向撮影 | 胸部CT |
上腹部 | 腹部エコー | MRI |
下腹部 | 腹部エコー | MRI |
乳房 | 乳房エコー、マンモグラフィー | MRI |
子宮卵巣 | 細胞診、腹部超音波 | 細胞診、MRI |
胃 | 胃透視、バリウム検査 | 胃カメラ検査 |
大腸 | 便潛血 | 大腸ファイバー、大腸CT colonography |
2010年7月 4日
進行ガンの統合治療
以下図の3つのバランスを考えた治療を行うことが重要となります。
しかし現在多くおこなわれている画一的な投与方法には疑問があります。たとえば、アルコールですら適量が個人個人で異なります。ましてや抗ガン剤に対する反応には個人差があってしかるべきです。抗ガン剤の少量投与や匙加減療法が望まれます。
b)日本はもっと放射線治療を積極的に取り入れるべきです。
放射線診断と放射線治療は当たり前のことですが違います。日本ではどうも放射線診断は頻回に行なわれていても、治療がいまひとつ行なわれていない印象がします。
1)腫瘍縮小治療
2)ガン性疼痛
に対しても放射線治療は有用です。早期ガン治療においても進行ガン治療においても、もっともっと放射線治療医が増えてくれば、ガン治療は一段と向上することは明白です。なぜなら放射線治療の精度や技術は格段に進歩しています。放射線医になる希望者が少ないのが問題なのです。安易に美容関係に進むドクターが多いことを危惧します。それには、経済的に放射線医を優遇することが必要です。
c)免疫療法にはいろんな療法はありますが、いずれの方法も原理や理論は魅力的で個人的には否定はしません。私自身も条件付でいくつかの免疫療法を行ないます。しかしこれらいずれの方法でも単独では決して目に見えるほどの大きさになっているガンの縮小効果はないと考えてください。たとえば、大きさが1cm大のガンがあるとするとそこには少なくても一億個のガン細胞が存在するとされています。一個のガン細胞を攻撃するには数十個のリンパ球(免疫細胞)が必要だと概算されています。免疫療法単独でなら、いくら体中のリンパ球を総動員してもたかが腫瘍1cm大といえども攻撃して消滅させることは不可能と思われます。三大療法のいずれかと併用しないと腫瘍縮小は望めません。もっとも目に見えないほどの大きさの残存しているガン細胞を攻撃したり、再発予防には一役買う可能性はあると考えます。

私が考える現行のガン検診の弱点
参考までに私考える現行のガン検診の弱点を列記します。
1) 胸部単純レントゲン検査では1cm以下の腫瘍は写らないか見落とされてしまう可能性があります。
2) 胃バリウム検査は感度がいいとは言えず早期のガンは写らない可能性があります。実際にバリウム検査で異常を指摘されると胃カメラ検査にまわされます。その胃カメラ検査の結果で最終判断されていることでも明らかなように医師は胃カメラ検査を信用しています。
3) 上腹部エコー(胆のう、膵臓、肝臓、腎臓、脾臓など)はかなり有用な検査です。しかし膵臓に関しては明瞭に全体像を観察しづらいことがしばしばあり、特に太っている方は困難です。膵臓ガンの気になる方はこの検査のみでは早期発見は無理だと考えてください。
4) 大腸:便鮮血検査で多くは代用されています。これはかなり有用な検査ですが、直接内視鏡で見ることと比較すると当然信頼度はおちます。
5) 乳房;マンモグラフィーと乳房エコー検査は有用ですが、施設間での格差は大きいようです。またマングラフィー検査は痛みを伴うことが多く、胸壁側が死角になりやすい欠点があります。乳房エコーでは小さな播種性の病変は検出できません。
6) 婦人科領域:子宮頸部、及び子宮体部の両方の細胞診さらには経膣式超音波検査が必要です。自覚症状の無い方はこれらの検査に抵抗を感じる方も多いようです。
7) 前立腺および膀胱;PSAという前立腺の腫瘍マーカーと血尿の有無でスクリーニングされています。あまり下腹部のエコーは施行されていないようです。
上記の3)から7)までの検査はMRI検査が最適と考えます。
※特にお薦めしたい検査はビキニMRI検査(乳房と婦人科領域の検査をこう命名しました)です。
2010年7月 3日
進行ガンのチャート
これからの進行ガンに対する治療課題としてはI) ガンが大きくなっている場合。:原則として放置しないことです。
1)体重は変わらずまた痛みなどが無い場合。ぜひ三大標準治療の組み合わせで対応。2)体重減少があれば、栄養補給と三大療法の組み合わせを。栄養補給してもやせる場合。ガンによる炎症性サ イトカインに対する治療および三大療法の組み合わせを。
3)痛みや苦しみはとにかく我慢しないで対処してもらうと同時に三大療法の組み合わせを。
4)三大療法をし尽くしたといわれて、もし納得がいかなければ、セカンドオピニオンへ。
5)三大療法がこれ以上ない場合は、体重の管理、痛み、苦しみなどの管理を。
II) ガンの大きさが、横ばいか小さくなっている場合。:これは悪くないことです。
1)体重は変わらず、痛みなども無いなら今のままの治療計画で経過を見る。2)体重減少があれば栄養補給を。栄養補給してもどんどんやせるなら、ガンの炎症性サイトカインによるものと 考えその対策を講じる。
3)痛み、苦しみがあればとにかく我慢しないで対処してもらうと同時に現行の治療手段に準じる。
III) ガンが見当たらない場合。
1)元気で痛みなど無い。且つ体重が減らない。さらに腫瘍マーカー、CRP,血清アルブミン、リンパ球数、血清ヘモ グロビンなど検査データが良好に推移している場合。理想的です。2)痛み、疼痛があれば、原因究明して対処してもらう。
3)やせてくるなら、栄養補給してもらう。栄養補給してもどんどん痩せてくるようなら、かつ上記データのいずれか の改善がなければ。播種性病変を疑い、ガンによる炎症性サイトカインに対する治療や、副作用を管理しなが らの抗ガン剤治療を。
進行ガンの治療において検査上クリアしたい4項目
*1)白血球の中のリンパ球数(免疫力を評価):800~1000個/μl以上。*2)血中ヘモグロビン(疲れや疲労に関係):8~10g/dl以上。
*3)血清アルブミン(栄養状態をみる):3.5g/dl以上。
*4)血清CRP(炎症性サイトカインを評価):0.5mg/dl以下が望ましい。
註1)
ガンによる痛みは、麻薬なども必要でしょうが、ぜひ放射線治療を。註2)
ガンによる炎症性サイトカインに対する治療には、ガンの大きさを三大療法いずれかでコントロールすることが基本です。しかしやや専門的な意見になりますが、IL-6などの炎症性サイトカイン自体をコントロールする健康食品や保険適応で無く且つ限られた施設でしか行なわれていませんが抗体医薬を用いることもありえます。註3)
*腫瘍マーカー値は患者さんひとりひとりによって評価が異なりますので、値そのものより、時間的な変化で評価します。註4)
*免疫治療については、自己責任において再発予防を期待して受けることは否定しません。しかし、上記の数値の推移が良好に経過していることが望まれます。2010年7月 2日
当院で実践する漢方療法
一部の漢方薬 http://www.chiyodakampo.com/※漢方については保険範囲内のみで対応してます。
特にガンにたいして。漢方薬は代替医療のひとつに扱われていますが、明らかに健康食品と異なり、治療医薬品なのです。中国では大学病院のレベルで、漢方の抗ガン剤との併用による大々的臨床データが取られ、その有効性を証明する報告が数多くあります。その臨床例数が日本とは比べ物にならないくらい多いにもかかわらず、残念ながら言葉の問題や昨今の報道事情などで日本ではあまり知らされていません。きちんとした中国の大学レベルとの密接な情報交換が信頼性、信憑性さらには安全性を得るには不可欠です。
2010年7月 1日
求められる、国が主導する混合診療のできる「ガン治療専門病院」
今日本でガン治療に関して私がもっとも強く求めたいのは、国が主導する「ガン治療専門病院」です。「国立ガンセンター」があるではないかと言う人がいらっしゃるでしょうが、ここはガン治療の専門病院というよりは、基本的にガン治療の研究施設でありその役割のひとつとしてガン治療が行われています。大学病院が「研究・教育・臨床」を3本の柱としているのと同じです。
私の理想とするガン治療専門病院では
1)臨床志向の医師のみの集まりとする。
つまり臨床医が研究や学会発表に労力を費やして、残りの時間で患者さんを診るということの無いようにする。なぜなら患者さんは臨床医を求めており、研究者を求めてはいません。
2)放射線治療をもっと活用する。ひとくちに放射線治療といってもその種類は豊富です。欧米と比較するとガン治療における放射線治療の役割が十分ではありません。
3)混合診療を認める。 今の日本の医療制度では、保険適用の薬と保険適用外の薬を併用する「混合診療」は禁じられ、もしひとつでも保険診療適用外の薬を使用すると、保険適用の薬も保険適用外になるので、治療費が10倍近くになることがままあります。
4)ガン治療と緩和ケアーと栄養管理を同時に平行して行なう。これらの三つの条件がそろってはじめてより良い延命治療が達成できます。しかし今の日本では緩和ケアーのタイミングが遅く、緩和ケアーそのものがガン治療の後始末のような終末医療となっています。
5)免疫療法については、保険外治療であることと免疫療法単独での腫瘍縮小効果が期待出来ないために多くの主治医にはあまり期待されていないようです。そのため患者さんがこっそり受けている構図があります。免疫治療では腫瘍縮小が望めなくても、四つの項目(くわしくは進行がんのところに記載)が改善すれば、延命効果効果があると考えていいと思います。
註1)私の理想とするガン治療専門病院を作るにはそこで働く医師の経済面を手厚くすることが必要です。それには政治主導で無いと実現は不可能です。
註2)患者さん側もがん保険などに自己責任において加入しておき、より手厚い治療や場合によっては医療保険が効かない先進医療に備えることです。
註3)研究医の存在はいうまでも無く重要で、医学の進歩には欠かせません。ここで提案した病院では彼らの知恵を情報として学び、ひたすら臨床に生かすことに専念する治療機関を目指すことです。
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