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2010年1月12日

内からのアンチエイジングは、まず生活習慣病の検査・治療から

アンチエイジング
・ 主治医の、数値によるコントロールが必須条件
・ 特に中高年の女性は骨粗しょう症も念頭に
・ 美容、脳の老化などに関連するサプリメントやプラセンタ(胎盤)注射もアドバイス

主治医の、数値によるコントロールが必須条件 特に中高年の女性は骨粗しょう症も念頭に

主治医の、数値によるコントロールが必須条件
特に中高年の女性は骨粗しょう症も念頭にアンチエイジング(抗加齢)という言葉が流行語のようになり、何か特別の方法でもあるかのように、健康食品、サプリメントなどが注目を浴びているが、アンチエイジングは生活習慣病のコントロールぬきでは語れない。

肌もこころもいつまでも若く保つためには健康体であることがまず基本である。この分野は内科医が最も得意であり、またそうであるべきだ。

生活習慣病とは糖尿病、脂肪肝、高血圧、高脂血症、メタボリックシンドローム(注参照)などのことをさし、脳梗塞や心筋梗塞など生命に関わる病気と密接に結びついている。生活習慣病のコントロールの仕方は自分の納得する方法をお勧めしている。薬、食生活の見直し、適度な運動や何か好きなサプリメントがあればそれをとり、それらを組み合わせるのもいい。


大事なことはどのような方法であれ、きちんとした数値で結果を出すことである。なぜならこれらのコントロール目標の数値についてはすべて統計的に裏打ちされており、客観的に評価されている。これらの数値は当然のことであるが主治医の存在なくして得られない。数値で判断される生活習慣病をコントロールしつつ試みることが、本来のアンチエイジングといえる。


数値のコントロールといえば、骨密度も数値で評価できます。高齢者の寝たきりの原因の第2位は骨粗しょう症による骨折です。そうならないように日頃から骨を丈夫に保つこともひとつのアンチエイジングです。その為には運動やスポーツなどまたは日常生活において体を良く動かすことです。

そして乳製品や小魚などカルシウムの豊富な食品などをきちんと摂取することも必要でしょう。しかし大事なことはそれらの努力の評価です。

骨密度を保つには、骨芽細胞(骨を作る細胞)と破骨細胞(骨を壊す細胞)のバランスが重要です。特に中年以降の女性は破骨細胞の勢いが優位になる傾向があり、それは尿検査などで解かります。身長がどんどん縮んだり、背中が曲がってきたり、腰痛などが出てこないうちに骨粗しょう症が心配な方は検査することをすすめます。その数値によっては薬剤治療を開始します。

美容、脳の老化などに関連するサプリメントやプラセンタ(胎盤)注射もアドバイス

美容、脳の老化などに関連するサプリメントやプラセンタ(胎盤)注射もアドバイスそのような基礎の上に、いつまでも若さを保ちたいのは誰もが望むことである。そのためには、シミやしわなどの肌の老化をおさえ、脳の老化のスピードを遅くし、疲れをためない、足腰を鍛える、などが必要であるが、その評価には数字の基準がなく、医薬品がもっとも苦手な分野である。

しかもいまの医療情勢を考えると、この領域の保険医薬品の進歩は望めない。国に頼らないでよりしっかりした信頼できる健康食品などを自分で探すことになる。



この領域のアドバイスこそ、私が臨床で培った経験や各分野の医療情報の収拾力から、私には適任であると自負している。プラセンタ注射、サプリメントには大変興味があり、私が可能性のあると感じているものも少しではあるがある。どんな目的で健康食品、サプリメントを利用し、またそれをいかに評価するかを患者さんに納得してもらいます。その際には、大体3か月を目安にその効果判定を一緒にすればいいと思う。3か月というのは身体の細胞の代謝を考えてのことである。


美容外科のめざすアンチエイジングは確立されつつある別の次元の手法で、私は身体の内面からのアンチエイジングにこだわりたい。

(注)メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)とは

脂肪が溜まるという場合2つの溜まり方がある。ひとつは下腹部、腰のまわり、太もも、おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積するタイプで「皮下脂肪」と呼ばれ、主に体の外側につき、「最近太ったね」と呼ばれる時の脂肪。もうひとつは「内臓脂肪」と呼ばれ、内臓の周りにつく。
最近この、内臓に脂肪のつく内臓脂肪が、「動脈硬化」と深く関連していることがわかり、内臓脂肪に関連して引き起こされる病態としてメタボリックシンドローム(メタボリック症候群 Metabolicは「新陳代謝に関する」の意)がある。
この概念は 「生活習慣病」という言葉と同様に、最近言われ始めた考え方である。


次の5項目のうち3つ以上あると、メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)と考えられる。  

 1. へそ周りのウエスト周囲径が、男性の場合は、85cmより大きい、女性の場合は90cmより大きいこと。(ウエスト周囲径というのは、腰のもっとも細いところではなく、へそ周りであることに注意)  
 2. 血圧が、130/85mmHgより高い。  
 3. 空腹時の中性脂肪の数値が、150mg/dLより高い。  
 4. 空腹時血糖が、110mg/dLより高い。  
 5. HDLコレステロール値が、40mg/dLより低い

この5つのうち3つ以上あると、内蔵脂肪を減らす必要があり、それによって、「肥満症」、「高血圧」、「糖尿病」、「高脂血症」などの予防や治療に大きな力になると考えられる。

「内臓脂肪」を減らすことは、意外にも多くの皆さんが気にされる「皮下脂肪」を減らすことより簡単で、少しの努力で改善する。日々の食事や運動を心掛けるだけでもそれなりの結果につながる。

東洋医療(漢方治療)について

東洋医療(漢方治療)について

東洋医療(漢方治療)について漢方治療はカラダ全体のバランス治療です。
たとえば、皮膚のトラブルを治療するにしても、カラダの冷えやのぼせ、便秘、ストレスなどを、気、血、水の概念のバランスで考え合わせて治療します。同じ疾患でも個人個人によって治療方法が異なることが多々あります。

そのために治療法に関する統計がとりにくいという側面はあります。


たとえばアトピー皮膚炎を例に挙げると西洋薬では、強弱のステロイド外用剤、プロトピック外用および、経口抗アレルギー剤、が治療の中心となります。

漢方治療の場合は、同じアトピーでも皮膚の乾燥、湿潤、炎症、うっ血などを判断して服用薬を選びます。特に女性の場合などは生理周期などに関連するストレスそのもの及び肌質の変化に合わせた治療をします。


検査で異常がない場合は病名もつかず、たとえ疲れ、肩こり、生理不順、肌荒れ、ストレスなどがあってもあまり治療されない傾向にあります。これらの症状をとることが未病の段階からの治療として重要です。漢方はこの段階の治療にも本領を発揮します。


東洋医療(漢方治療)について漢方薬の治療は時間がかかると一般的に言われていますが、間違いです。

2週間くらい治療しても全く改善しない場合は患者さんの証を考え直して、処方を変更するべきです。

高血圧、脂血異常症、糖尿病など数値で評価される疾患に対しては西洋薬のほうがエビデンスも豊富にあり優れています。



しかし、皮膚疾患、慢性疼痛、婦人科などの不定愁訴および進行がんによるQOL低下に対してなどのように患者さんが自分で治療効果を自覚できる領域は漢方薬のほうが優れていることが多いようです。


女性に多い病気は、信用できる機関でMRI検査を

・ 信用できる検査施設を選べば多くの女性特有の病気がMRI検査で、診断できる。

信用できる検査施設を選べば、多くの女性特有の病気がMRI検査で診断できる。

信用できる検査施設を選べば、多くの女性特有の病気がMRI検査で診断できる。生理不順、子宮筋腫、子宮内膜症などや子宮ガン(頚ガン,体ガン)、卵巣ガン、それに乳ガンなどについて不安や悩みをかかえている女性は多く、診察を受けるにはやや抵抗がある。これらのことを診断するにはMRI検査が一番いいと考えられる。

乳ガン検査でもマンモグラフィーや超音波検査もいいが、MRI検査のほうが有用であると考えている。しかしMRI検査は器械台数が少なく、またその画像をきちんと判読できる医師が少ないという欠点がある。信用の出来る検査施設を選ぶことが必要である。

乳ガンや婦人科のガン検診にあまり最初からMRIがいわれないのは、上記の理由と、コストがかかるという理由からであるが、精神的苦痛や個々の診察医の技量がわかりづらい事などを考え合わせるとMRIは受ける価値のある検査である。たとえ保険が利かなくてもである。


信用できる検査施設を選べば、多くの女性特有の病気がMRI検査で診断できる。ただしごくごく初期の子宮頸ガン(ステージ0期)をきちんと否定するには、婦人科を受診して子宮頚部の細胞診を採取することをお勧めする。

また最近は婦人科に行かなくても、「通信検査」でも細胞診を受けることができる。
通信検査会社に申し込むと「子宮ガン用の検査キット」を送ってくれるので、自分でその中の綿棒で子宮頚部の表面を軽くこすり取って送り返せば、しばらくすると検査結果を知らせてくれる。これとMRI検査の併用をすれば、大いに意義がある。

痴呆(アルツハイマー病など)の予防のための眼球運動及び動脈硬化の徹底的な管理。

痴呆(アルツハイマー病など)に対する予防効果を期待して、眼球運動をきちんとした形で実践することが、速読に繋がり、この速読は脳を鍛えることに繋がります。
たえず脳を使っている人は見た目も若いようです。速読のゲーム機やシルバージムでの実践もよさそうです。

ガンの早期発見および進行ガンの総合的治療 狭義のアルツハイマー病は別としても、多くのアルツハイマー病は血管の動脈硬化が原因と考えられています。現時点までに限っていえば、アルツハイマー病の薬は、診断がついた時点で治療を始めても研究者の微妙な判断基準はどうであれ、満足がいく症状の改善は期待できていません。このことは家族に患者さんを抱えている方はお分かりのことでしょう。やはり、高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病を常日頃から厳密に管理するという地味な努力を重ねることなのです。

痴呆症とあきらめる前にチェックしておきたいこと。
I)外科手術で改善する可能性はないのか?
1)正常圧水頭症
2)慢性硬膜下水腫などは手術適応です。一度頭部CTもしくはMRIの検査を受けてその可能性を検討することです。

II)認知症を悪化させる可能性のある薬を服用していないかどうか?
三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系抗不安薬、一部の睡眠薬、パーキンソン治療薬のなかの抗コリン薬、過活動性膀胱治療薬のなかのオキシブチニン、抗てんかん薬、降圧薬の中のアルファ、ベータ遮断薬などについては認知症との関連が指摘されています。服用している場合はその是非を主治医と相談してください。


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