2019年4月13日
胃食道および大腸癌検査つまり消化器系癌検査
a)食道胃カメラ
b)大腸カメラ
参考)大腸 CTやカプセル内視鏡などの選択肢もありますが、被曝量の問題や組織検査ができないという欠点が大きいようです。
内視鏡検査時の苦痛を和らげる種々の工夫もされており、消化器系検査としては内視鏡検査で決まりです。
消化器以外の臓器についての癌検査
a)胸部検査おもに肺癌検査
■胸部CT
最近の低線量CTを用いると、かつての1/10程度まで放射線被曝を低減できます。
High endの最新のCT scannerを導入している施設で、被曝低減のための十分な知識と経験のある放射線科専門医がいるところで検査を受けられることをお勧めします。
■胸部MRI
CT検査と違って被曝しないため受診年齢は気にしなくて構わない。
MRIの撮像は、機種と撮影者によって、画質がかなり差異を生じてしまいます。
胸部の撮影に十分な経験のある施設での撮影をお勧めします。
MRI scannerは1.5Tか3.0Tを用い、スクリーニング検査としては、造影の必要はありません。
註)乳癌や心臓検査の際のMRI検査は撮影条件が異なります。
b)膵臓癌および胆管癌
これらの癌は大変早期発見が難しくかつ難治性の癌です。
早期発見のためにはMRI検査さらにMRI-CP検査が必要です。
MRI scannerは1.5Tか3.0Tを用い、スクリーニング検査としては、造影の必要はありません。
この部位の検査では合わせて腎臓や肝臓癌などの検査も含まれます。
c)ビキニ健診(乳癌や子宮、卵巣などの婦人科癌など)
■乳房MRI検査
デリケートな部位の検査ですが、精神的や肉体的な苦痛が少ない検査です。
スクリーニングのためのMRIで良好な結果がでているので、検診を行うならMRIで実施すべきであると考えています。
■マンモグラフィーの問題点
Dense breastや若年者は、見落としやover diagnosisのリスクが高くなるのと同時に、被曝に関する十分な正当性を説明する必要があります。
ご納得した上での乳癌検診をお勧めします。
■子宮や卵巣がんMRI検査
精神的および肉体的な苦痛がなく受けられます。
一定条件以上の施設を選べば、最もすぐれた検査です。
ステージ1以上はまず見落とさないと考えていいでしょう。
ステージ0に関しては議論がある所でしょう。
■経膣超音波検査について
重要な検査であることには間違いはありませんが、精神的および肉体的苦痛を伴い、かつ術者の技量の差もでる可能性があります。
d)泌尿器系癌
i)前立腺癌
PSA検査もいいですが、きちんと診断する上ではMRI検査がお勧めです。
ii)膀胱癌
MRI検査がベストです。女性の方のビキニ健診時にも写ります。
e)その他の部位もほとんどはMRIが優れています。
肝臓癌や腎臓癌などは腹部エコーでも早期発見は可能ですが、膵臓や胆管MRI検査の際に同時に検査されます。
PETの適応や立ち位置について
CTやMRIなど汎用されている画像診断を行わず、いきなりPET-CTを行うことによる癌の早期発見、生存率の延長に関するエビデンスはありません。
健康な人に対して、ルーチンでPET-CTを行うことは、被曝の観点からお勧めできません。
PET-CTは、癌と診断された後の治療方針を決める場合や、生検ができない場合の蓋然診断のために施行することを考慮します。
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