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2)冠動脈CT又は冠動脈MRI検査

a)冠動脈CT又はMRI検査で異常がない場合
 更なる冠動脈カテーテル検査は殆ど必要がありません。


b)冠動脈CT又はMRI検査で異常なしの判定が困難な場合
 更なる冠動脈カテーテル検査の必要性を検討します。

【冠動脈CTまたはMRI後の経過観察チャート】

 冠動脈CT/MRI→異常なし→このまま経過観察
   ↓
 異常の疑い有り→心臓シンチ→異常なし(ひとまず安心)→経過観察
   ↓      心臓シンチ→虚血性変化あり→冠動脈カテーテル検査
 冠動脈カテーテル検査→異常なし→経過観察
 冠動脈カテーテル検査→狭窄あり→PCIや冠動脈手術              


冠動脈CT検査の被爆について
Dual energy CT, 逐次近似法など、撮像方法や画像処理の工夫により、被曝線量を低減しつつも良好な画像を得る試みが行われています。使用するCT scanner、撮像プロトコールによって被曝線量は大きく異なります。冠動脈MRI検査については、被曝しないという点は大きな魅力です。しかし機械の精度(例えば3テスラ以上)や撮影条件が厳しく検査する施設をCTよりも厳密に選ぶ必要があります。

参)腎機能が悪く造影剤使用を躊躇する場合は冠動脈石灰化スコアも有用です。


頭部MRIおよびMRA検査または冠動脈CTまたはMRI検査で異常が見られた時の対応について

1)脳小血管病変が見られた時
中でもCBMsが認められたら先ず血圧をしっかり治療する必要があります。
130mmHg以下を目標にします。CBMsが認められれば→先ずはきちんと降圧する必要があります。無症候性ラクナ梗塞又は白質病変→血圧のみならず、脂質、血糖管理、更には適正な運動や食事の管理、禁煙なども含め総合的な危険因子の管理を行う必要があります


2)冠動脈カテーテルで狭窄が判明した方でステント挿入などの処置(インターベンション)や冠動脈手術をされた方へ

これらの手技は大変重要な治療ですが、あくまでも対症的な処置であり根本治療ではない事を忘れてはいけません。インターベンション又は冠動脈手術後→再発予防を兼ね術前よりもさらに種々の厳しい管理が欠かせません。きちんとした運動や食事の管理、脂質異常、血圧管理、タバコなどリスクファクターの管理が必要です。今の医療現場を考えた時に縦割の色が濃いようです。緊急な治療は縦割り医療でいいと思います。しかし一次予防や再発予防に関しては総合内科医の横断的治療が必要だと考えます。


註)検査対象者として
1) 高血圧
2) 脂質異常
3) 糖尿病
4) 慢性腎臓病(CKD)
5) 喫煙者
6) アルコール過剰摂取(エタノール換算50g/日以上)
7) 家族に,脳梗塞や出血の既往もしくは虚血性心疾患の既往のある人などの複数リスクのある方にお勧めします。


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