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糖尿病治療のエッセンス

糖尿病ではない正常人でも血糖値は空腹と食後において80mg/dl~140mg/dlの範囲で時々刻々と推移しています。正常人では食後血糖のピークは30分あたりから1時間以内が殆どです。

自己インスリン(自分の膵臓β細胞から分泌されるインスリン)がきちんと正常に分泌されていれば糖尿病にはなりません。

食後過血糖とは食後約1時間後に生じる140mg/d1lを大幅に超える血糖変動を指しています

自己インスリン分泌能はまだ糖尿病の診断基準を満たさない段階の食後過血糖を繰り返す境界型糖尿病状態から既に低下し始めると言われています。

一方でたとえ糖尿病と診断されていても食後過血糖をコントロールし続けることにより自己インスリン分泌能が改善していくことも分かっています。

つまり食後約1時間後に生じる食後過血糖をしっかりとコントロールし続け、内因性インスリン分泌能を改善させる事が糖尿病治療の根幹になります。

食後過血糖を抑えるためには

1)一度に摂取する炭水化物量を控える
2)炭水化物を多く含む食品摂取にかける時間を出来る限り長くする
3)炭水化物単独よりも食物繊維はもとより蛋白質や脂肪を同時摂取する
4)食後直ぐの簡易レジスタンス運動を習慣ずける。
5)炭水化物量が多いおやつや飲料水の過剰摂取や常に何かを飲み食いする習慣を断つ。
6)糖尿病薬の利用
上記の組み合わせで自分にあった無理のない選択が望まれます。


註)食べようとする食品中の炭水化物量をブドウ糖換算量g(wtGL値)へ置き換えてみる習慣をつけておくことを勧めます。
wtGLg=食品中の炭水化物量g×食品のGI値%
GI値とは食品中の炭水化物が血糖値に与える影響を同じ量のブドウ糖と比較して表した指標の事です。GL値よりもその情報は多くネットで簡単に調べられます。


註)
炭水化物の中の果物に関して。
果物はGI値ひいてはGL値があまり高くないので、食後過血糖は生じにくいと考えられます。しかし摂り過ぎると肥満や脂肪肝に繋がっていきます。やがてインスリン抵抗性を生じ、適切な自己インスリン分泌能に支障を来してしまう危険性があります。


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