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更なる深刻な危険因子として

A)慢性腎臓病CKD
軽度〜中等度低下、中等度〜高度低下、高度低下に分類される。腎機能が正常であることが理想ですが、少なくとも軽度から中等度までの段階に食い止める総合的治療が重要。


a)上記の1~4までどの因子もCKDに関わりうる。
1~4に対してのバランス治療が求められる。


b)糖尿病が関係するCKDをDKDと呼んでいる。
これはCKDにおける糖尿病の罹患率が高く、また高齢化社会を迎えるにあたり、本人のQOLが大きく損なわれかつ医療費の高騰を招く透析患者を減らす目的からのキャッチフレーズでもある。現在、高血圧やコレステロール治療に関しては多くの医療機関である程度標準的治療ができるまでになっています。しかし糖尿病に関しての治療方法や治療薬選択に関しては各医療機関による差は如何ともし難く、糖尿病や腎臓の専門医が透析防止のために警告を鳴らし始めています。開業医としては早い段階のうちにエビデンスの出始めている薬剤選びや必要な検査を心掛ける責任はあります。一方でDKDの治療には薬剤のみに頼らず食事や適度な運動など患者さん側の協力なくしては成り立たないことを医療従事者も患者さんも肝に命じておく事も大事なことです。


c)消炎鎮痛剤(NSAIDs)の乱用を慎む。
NSAIDsにより血圧悪化や浮腫ひいては腎機能悪化は珍しくありません。整形外科医の理解も欠かせません。高度腎機能障害が生じてしまうと種々の治療が後手に回ってしまいます。早期の段階で手を打つこと、自信がないときは躊躇せずそのケースに適切な専門医にすぐ相談するが必要です。CKDまたはDKDの治療には糖尿病や腎臓の専門医だけでは不十分で、整形外科、循環器科、脂質代謝など総合的見地から望むべきと感じています。


B)無症候生慢性心不全(CHD)
QOLに大きな影響はないが、心エコー検査やBNPなどで心機能に異常を呈する段階。
上記の1~4の危険因子や註)の項目がいくつかが重複するとたとえ無症状と思っていても、軽度〜中等度のCHDが生じている可能性があります。早期発見と早期治療が望まれます。ここでも上記のNSAIDsの多用の弊害が大であることを忘れないこと。一旦症候生CHDとなると治療抵抗生も懸念されQOLが大きく損なわれます。


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